谷内六郎は1956(昭和31)年から26年間、『週刊新潮』の表紙絵を担当しました。その原画総数は約1,300枚になります。その中には、昔なつかしい、郷愁を誘う情景だけでなく、不安や恐怖といった暗い感情をテーマとしている原画や、谷内らしい機知の効いた場面を描いた原画があります。谷内六郎館では、そうした表紙絵原画を中心とした展示を行っています。
また、谷内六郎は〈週刊新潮 表紙絵〉1枚につき約400字の「表紙の言葉」を書き残しています。谷内ならではの視点で書かれた言葉から、表紙絵に隠された思いや、社会に向けたまなざしをうかがうことができます。
谷内六郎(1921-1981)
1921年東京生まれ。幼少より喘息で入退院を繰返すが、絵筆は離さず、10代の頃から新聞・雑誌にイラストや漫画が掲載される。55年、文藝春秋第一回漫画賞を受賞。56年の『週刊新潮』創刊と同時に表紙絵を担当し、81年の死去まで26年間発表を続ける。総点数は1336枚にものぼる。また、壁画やろうけつ染、絵本などの作品も多く残す。ねむの木学園などの養護学校とも交流し、絵の指導などを行うなど福祉活動にも力を注いだ。75年、横須賀市にアトリエを構える。谷内六郎館には、細長い形の展示室と、中庭をはさんで離れのようになっている四角い展示室とがあります。その空間を使って、横須賀美術館が収蔵する<週刊新潮 表紙絵>を中心とした展示を行います。色々な情景を描いた作品が1300点余もありますので、『週刊新潮』を見慣れた人でも、谷内六郎館に来る度に新たな発見があるのではないでしょうか。関連作品や資料も併せて展示し、懐かしい郷愁あふれる谷内六郎の世界をご紹介いたします。また、作品だけでなく建物そのものも谷内六郎館の魅力のひとつです。中庭からは、目の前の海を一望することができ、浦賀水道を行き交う船や、晴れた日には房総半島まで見渡せるため、気持ちのいい時間を過ごすことができます。また、さくらなどの木々が植えられ、心地よい空間の中でのんびり憩うこともでき、小さな空間ではありますが、思い思いの方法で、有意義に過ごすことができます。リンク|サイトマップ|美術館評価制度|お問い合せ|著作権について|個人情報保護方針|推奨環境
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